保育園に勤務していた時、午前中の活動で元気のない子どもの姿が気ありました。

園庭での自由遊びの時もテラスにずっと座っていたり、声を掛けてもあまり話さなかったり…覇気のない姿です。
思わず「朝ごはん食べてきた?」と聞いてしまいます。

すると、子どもは首を横に振ります…。

私の勤務していた保育園では、子どもの脳の働きが活発になり、集中力も高められる午前中の時間帯をゴールデンタイムと言っていました。

この時間帯に友だちや保育士との活動を楽しんだり、しっかり体を動かしたりすると、心と体の成長にスムーズにつながります。

しかし、朝食を食べてないと、午前中の活動に影響を及ぼします。脳や体にエネルギーが行き渡らないので、体温が上がらず脳の働きも不十分になります。

このようにエンジンがかかるまでに時間を要する子どもがいることは現状です。

子どもの朝食の現状は!?

朝食を食べない小学生が増えていることが、2018年度の文部科学省の全国学力・学習状況調査で分かりました。

小学生なら午前中の授業に影響が出てもおかしくありません。

充分にエネルギーを補給出来てない状態で授業に集中することは難しいと感じます。

文部科学省の別の調査によると朝食を食べない理由に、3~5割が“食欲や時間がない” 1割が“そもそも朝食が用意されていない”と回答しているそうです。

子どもの朝食の欠食は、家庭環境も影響していると言われています。これが現状だとしても、家庭だけに食育に力を入れるように求めても難しいと感じました。

私は保育園勤務していたので、早朝から働く家庭やひとり親家庭など、色々な家庭を見てきました。色んな家庭の事情があり、分かっていても出来ない現状はあると思います。

だからと言って、子どもの朝食の欠食は仕方ない…とは思いませんが、この現状どうしたものかと悶々としていました。

広がって!子どもに朝食の提供!

つい先日、私の悶々とした気持ちが晴れる新聞記事を見つけました。

それは、1日の始まりに朝食をしっかりとって生活リズムを整えさせようと、小・中学校で子どもたちに朝ごはんを提供する活動が広がっているという記事でした。

大阪の小学校では週3回、家庭科室にて「朝ごはんやさん」が開店するそうです。

登校してから食べるので、利用しやすく遅刻も減り、授業に集中できるようになったと効果が出ているようです。

家庭の事情で朝食をとれない子どものために、素晴らしい取り組みだと思いました。朝食を食べるために、早寝早起きの規則正しい生活リズムも身につくことでしょう。

そして、子ども自身が明るく元気に1日のスタートが切れることが何よりです。

現状では、まだまだ援助を必要とする家庭はたくさんあると思います。

子どもを取り巻く食育の幅や取り組みが広がることを願います。