小学4年生の時でしょうか…待ちに待ったクラブ活動が始まりました!私は料理クラブに入り料理をすることが楽しみでなりませんでした。
今、どんな料理を作ったか思い出してみると…何も覚えていないのです。あれだけ楽しみにして入部したのに…。
お好み焼きを食べたことは少し記憶にあるのですが、どんな風に作ったかは全く記憶にないのです。
料理クラブは女子に人気がありました。人数が多く上級生中心に作り下級生は見ていたのだと思います。きっと…。
私は小さい頃から料理に興味があり、なんでもやってみたかったのですが、それが叶わない女子でした。この料理クラブもそのひとつです…。
そして、この状況は家でも同じでした。家庭科の調理実習で習った料理を家でも作ってみたいと言うと母は困った様子です。台所は母のテリトリーです。そこに子どもの私が入っていくと、子どもの手は遅いのでペースが乱されます。忙しい母はそれを待つことが出来ないのです。
人に頼むより自分でした方が早い‼と思う…母はそんなタイプでした。時々作ることをokしてもらい私が料理を作っても、最後は母が味見をして母の味付けに仕上げられるという、我ながら可哀想な結末でした。
お料理したい!お菓子を作りたい!という私の意欲は徐々に消えていきました…。
そして、料理を作ることに自信もなくなっていきました…。
褒められることで心は変わる‼
全く料理に興味がなくなり、作ることもしなくなり、年月が流れました。
こんな私が18歳の時、知り合いの喫茶店をピンチヒッターで手伝いに行きました。お皿を洗うぐらいなら…と気軽に行ったのです。
すると、タイミング悪く一人で店番をしていた時にお客さんが来て「ピラフ‼」と注文したのです。私しか居ないので私が作るしかありません。もう、必死で作りました。普段、何も料理をしていなかったので、お客さんに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
でも…お客さんは帰り際に「美味しかった‼ごちそうさま‼」と思いがけない言葉をかけてくれたのです。この時の驚きと嬉しさは今でもよく覚えています。
褒めてもらえたことで「私は料理を作ってもいいんだ‼」という前向きな気持ちになりました。
消えないで!子どもの意欲!
親子で一緒にケーキを焼いたり、お弁当を作ったり…というエピソードを聞くと子どもは素敵な経験をしているなぁと感じます。そして、自分のエピソードと重ねると羨ましくも感じます。
親子のふれあいはもちろん、きっと子ども自身も料理を作ることが楽しく、「美味しい‼」と褒めてもらうことが嬉しく、料理が大好きになることでしょう‼また、食材や調理方法に触れることで、子どもの興味、関心の広がりは大人の想像以上かも知れません。
そして、子どもがなんでもやってみたい‼と興味を示した姿を大人が認めることが出来れば、子どもの意欲は消えることなく自信に繋がります!
私の場合、料理をすることに対して自己肯定できる機会が与えられ幸いでした。
どんな時も子どもの意欲を認め、尊重していきたいですね…。