先日、子どもたちとの食事タイムでの会話。私が「給食はおかわりできるの?」と聞くと、子どもたちは「うん!!」と。
そして、「人気な時はジャンケン」と。「そうなんや…。」と聞く私。内心は「おかわりが人気な時は、分け合ったらいいのに…」と思うのでした。
みえハウスには、色んな小学校の子どもが来ています。ある小学校の子どもが、「給食量が全然足りない…」と言っていたので、他の小学校ではどんな感じかなぁ…と思い聞きました。
コロナ禍での給食の時間、お友だちと会話を楽しみながら食べることは難しくなったことでしょう。また、コロナ禍でなくても給食の時間は制限があり、時間内に食べられない焦りから、泣きながら食べているという話も聞きます。
食べることが楽しくなくなるのは、本当に胸が痛いです。私自身も小学1年生の時、給食の時間はあまり楽しくありませんでした。
子どもたちの早食い競争
私が小学1年生の時、給食で人気メニューはカレーシチューやスパゲティでした。みんなおかわりがしたいので、カレーシチューやスパゲティの時は早食い競争です。そして、いざおかわりへ行くとお鍋の中はスッカラカン…おかわりは、わんぱく男子のお皿に大盛りです。
トボトボ自分の席にもどる女子たち…私もその中の一人でした。席に着くと、パンとサラダと牛乳が待っています。思わずため息をついてしまいます。
この状況を見ていた担任の先生は、何も伝えてはくれませんでした。自分たちで学習しなさい…ということだったのでしょうか?
しかし、小学1年生のクラスでは毎回同じことが繰り返されていました。
私は保育士の仕事をするようになり、作り手の気持ちを伝えること、作り手に感謝の気持ちをもつこと、そして、味わって食べることの大切さを私自身が学びました。またそれを子どもたちに伝える大切さも学びました。
「大きくなってね!と思って作ってくれたんだね!」「よく噛んで味わって食べようね!」「美味しいね…給食の先生にありがとうだね…」と言葉がけると、食べている子どもの心は、その言葉の意味の「やさしさ」や「あたたかさ」…を吸収していきます。
人気メニュ-をおかわりしたい気持ちはみんな一緒です。しかし、味わって、作ってくれた人に感謝して食べる…ということを心が吸収していれば、クラスで早食い競争は起こりません。
また、「おかわりをする時は、お友だちのことも考えてね」とだけ、子どもたちへ投げかけておきます。すると自ら友だちと半分に分ける姿が見られ、子ども自身が見つける答えに感心させられたこともありました。
人として大切なこと
私の勤めていた保育園は2歳~5歳までの縦割りグループで生活をしていたので、年齢の高い子どもがわんぱくに振る舞えば、年齢の低い子どもはずっと我慢をしなければなりません。その分、子どもの心の成長を援助する保育士は、配慮に欠けることなく努めることが大切でした。
今思えば…小学1年生の時の担任の先生は、クラスの給食の様子にあまり関心がなかったようです。わんぱく男子が誰よりも早く食べ、誰よりもたくさんの量をおかわりしても注意されることはありませんでした。
おかわりをできない女子の気持ちに気付き、代弁してくれることもありませんでした。そして、味わって食べることも、給食を作って下さる方々に感謝することも伝えてはくれませんでした。
伝えてくれる人がいるから、人の気持ちに気付くことができ、学ぶことができるのです。
私は食育を通して、人として大切なことを子どもたちに伝えていく大人でありたいです…。