こんにちは。みえハウスのみえ先生です。

先日、給食でのおかわりについてエピソード記事をブログに書きました。https://mie-house.net/episode/kyuusyoku-tanosikunaikodomo.html

そして、もう一つ気になっていたことは、給食の “完食指導” はあるのか!?ということです。みえハウスに通っている子どもたちに「給食は全部たべないといけないの?」と聞くと、「給食は残してもよい」ということだったので、ちょっとホッとしました。

私の子どもの時代(アラフォー世代)は “完食指導” が当たり前だったと思います。

食べるのが遅い子や好き嫌いのある子は給食の時間内で食べることができないので、食器は下げられ、まだ残っている給食はアルミホイルに移された…と聞いたことがあります。

それはスー先生(笑) いやいや笑いごとではありません…すみません!スー先生は、アルミホイルのお皿で続きを食べるように先生に促され、その横で掃除が始まった…と言います。

掃除をする横で給食を食べるなんて、ひどい話です。

当時は“完食指導”において特に問題視されることもなく年月が過ぎましたが、今は少しずつ緩和されているようでよかったです。

子どものどんな姿を認めるの?

私の勤めていた保育園は、配膳や盛り付けは保育室でしていましたので個々の適量や好き嫌いを把握して、保育士が盛り付けていました。

お皿におかずを入れる時、苦手なおかずの時は「少なくして」と保育士に伝えることもひとつのルールにしていました。もちろん、最初から言えない子どももいるので、そんな場合は保育士から「食べられる?」と聞いて確認します。

保育士に「少なくして」と伝えた子どもには、「分かったよ。よく言えたね!」ときちんと伝えられたことを認めて量を減らします。

たくさん食べることができなくても、少量でも食べ切ることができた方が子どもの自信に繋がります。

「給食の完食ができないとダメ!」みたいな子どもが責められるような “完食指導” であれば子どもは自信がなくなり、自己肯定感も低くなってしまいます。

それが原因で不登校になったり、トラウマになったりすることが現実に起きていました。

完食が美化された時代、先生の “指導力” が問われるので “完食指導” に熱が入る先生もいたそうです。

残食をなくすために “指導力” として、どんな工夫をしていたのか?子どもがワクワクして食べられるアイディアを提供していたのか?問われるところですね…。

社会に出た時、強い子どもは!?

私は“好き嫌いとサヨナラできる食育教室”をしていますが、教室で「〇〇は食べられない」と伝えた子どもの姿は先ずはしっかり受け止めます。

そこから、私なりに工夫やアイディアを施し、前向きに食の幅が広がるように子どもと関わっていきます。

私は子どもが「イヤだ!」と言う気持ちを他者に伝えていくことは、社会の中でとても大切だと思います。これは、子どもが自分を自分で守る手段でもあるのです。

単なるわがままでなく「食べられない」と主張することは体調が悪いのかもしれないし、食物アレルギーがあるのかもしれない…その状態がわからない大人もいるのです。

たとえば、こんなことがありました。私が年長児を引率して交流のある保育園に遊びに行き、そこで給食をいただきました。引率した子どもの中に食物アレルギーの子どもがいました。

すると、その子は給食の用意が始まると、その保育園の先生たちに「ボク、卵食べられないから」と伝えるのです。もちろん、交流する際にあらかじめ大人が伝えていますが、食物アレルギーの強い子どもでしたので、自分を自分で守る手段を身につけているように感じ、社会に出てもこの子は強いなと感じました。

「他の保育園の先生はボクのアレルギーのことを知らないかもしれない…」という思いが、この子を行動させたのでしょう。

食の細い子ども、好き嫌いの多い子ども、または食物アレルギーがある子どもを社会に送りだす時、お母さんは心配ですよね…。

そこでポイントは、子ども自身に “自分の気持ちをしっかり先生(周りの人)に伝える” という大切さをしっかり伝え、社会に送り出すことです。

子どもの伝えてきた言葉に耳を傾けることができない先生は “指導力” 以前の問題ですよね。またクラスメイトとの関係でも、おかしな要求には「イヤ!!」と言う姿勢は大切です。

子どもが社会で伝えるべきこと、また、言うべき「いや」がしっかり言えているか、大人が意識して見守ることが大切ですね。