こんなに暑いと、ついつい冷たいものばかりに手がのびてしまうスー先生です。
例年であれば、今の時期は夏休みの後半戦に入っている頃ですが、今年はコロナの影響で短い夏休となりましたね。
この暑さのなか登校する子どもたちの熱中症も気になりますね。年々、夏の暑さが増しているように感じます。
私の小学生時代は、こんなにも暑かったかなぁ…。でも暑い夏の、この時期になると懐かしく思い出すことがあります。
それは「地蔵盆」です。
地蔵盆ってなぁに?
この地蔵盆の時期になると「あぁ~そろそろ夏休みも終わるなぁ…」と思うのでした。(24時間テレビの放送を見ても思います笑)
地蔵盆は、毎年8月23日・24日に行われています。(1~2日前後することもあります。)
この地蔵盆、じつは関西地方を中心として行われているようで関東地方の方には、あまり馴染みがない行事のようです。そもそも地蔵盆は「京都」が発祥地で、そこから広がったようです。
私は生まれも育ちも神戸なので、小学生の時から地蔵盆は慣れ親しんだお祭りでした。
「地蔵盆」は、名前のとうり「地蔵」→「お地蔵さま」のお祭りです。お地蔵さまの正式名は「地蔵菩薩」です。
この地蔵菩薩は、平安時代以降に地蔵信仰が民間に広がり、村を守る役割を果たすようになりました。
また地獄の鬼から子どもを救うとして子どもの守り神ともなり今に至っています。
そこから全国に地蔵菩薩が広がり、それぞれの道端にも石地蔵が見られるようになったのです。
また地蔵盆は、寺院にまつられている地蔵ではなく、辻地蔵(つじじぞう)と言って街角や道端におまつりされている地蔵が対象になっています。
先ほど書いたように、お地蔵さまは子どもの守り神でもあるので子どもが主役のお祭りなのです。
そして、子どものすこやかな成長を願ってお地蔵さまを供養する行事なのです。
地蔵盆では、日頃の感謝を込めて辻地蔵をきれいにします。よだれかけや頭巾を新しいものと交換します。
そして、お顔を白く塗ってお化粧をするそうですが、私はお化粧をしているお地蔵さまは見た記憶がないなぁ…と思いました。
でも真っ白なお顔のお地蔵さまを見られるのも地蔵盆ならではの風物詩となっているようです。
辻地蔵をきれいに飾り付けたあとにお供えをするのですが、このお供え物はお菓子やジュースなどなど…。
そして、お地蔵さまをお参りにきた子どもたちにお下がりとして渡される!!というわけです。
子どもがお菓子をもらえる日!?
私の住んでいる地域にも、辻地蔵がたくさんおまつりされていて、地蔵盆の時には地域の色々な場所で紅白の幕が張られ、提灯(ちょうちん)が飾られ子ども心にワクワクした記憶があります。
この提灯にも意味があり「地蔵尊と子どもの縁を結ぶ」と言われています。
片方の提灯には地蔵尊のお名前が、もう片方の提灯には子どもの名前が記されていて、お地蔵さまに子どもの健やかな成長を願う意味が込められています。
地蔵盆の日は浴衣を着て、手には必ずスーパーの袋をもち、家の近所のお地蔵さまのところへ行きました。
お地蔵さまの前で手を合わせてお参りすると、そこにいる町内会のおばさまからお菓子がもらえます。
そして、お菓子を自分の袋に入れて、また次のお地蔵さまのところへ向かう!!という繰り返しです。
とにかくお菓子がもらえる!!ということが嬉しくて、そして袋の中がお菓子でいっぱいになっていくことが、とても楽しかったです。
もはや地蔵盆の意味などわからず、「地蔵盆はお菓子をもらえる日!!」と思っていました。
まぁ、子どもが主役のお祭りなので子どもが嬉しいと思うことはよいことかもしれませんが(笑)
中には、お参りだけでなく盆踊りをしていて、その盆踊りを踊らないとお菓子がもらえない場所もありました。(素直に踊ってたなぁ~)
そして、2日間でた~くさんのお菓子をもらい、数日お菓子ざんまいの日をすごすのでした。
今でも8月23日・24日頃の夜には地域の子どもたちの賑やかな声が聞こえてくると、自分の子どもの頃を懐かしく思い出します。
ただ今年は、コロナの影響で地蔵盆が中止になる地域が多いようです。短い夏休みを終え、子どもたちが楽しめる行事がなくなるのは残念です。
今年は子どもたちの賑やかな声は聞こえなくても、子どもたちの守り神であるお地蔵さまは、コロナ禍ですごす子どもたちの健やかな成長を、「コロナに負けずに頑張るんだよ!」と街角や道端で見守って下さっていると信じます。