こんにちは。みえハウスのスー先生です。

11月ですが気温の高い日もあり、体感では秋から夏に季節が逆戻りしているように感じる日もありました。

でも、スーパーに行くと並んでいるのは秋の味覚!今は柿や、りんごをたくさん見かけます。私は柿を見ると、小さい頃に祖母宅で食べた「干し柿」を思い出します。

干し柿は田舎の方でしか食べられて(作られて)いないと思っていたのですが、みえハウスの近所の飲食店や、保育士時代、保育園の近くの家で柿を吊るし、干し柿を作っている光景を見て、都会でもできるんだ(笑)という思いと、何だか懐かしく感じました。

そして、最近行ったスーパーで柿と紐が入った、干し柿用のセットが売っていて驚きました。

渋柿で作る2つの理由

小さい頃お正月に祖母宅へ行くと、必ず軒下に干し柿がありました。しわしわのフォルムに茶色で白っぽい粉が吹いている物もあり、カビがはえている!?と子ども心に正直、見た目がビミョーで美味しそうとは思いませんでした。

そんな私の隣で母は、その干し柿を取って美味しそうに食べるのです。もともと私は、熟した柿が苦手だったので、母が食べていた干し柿の中が少しトロっとしているのを見て良い印象はありませんでした。

でも、毎年お正月に祖母宅へ行くたびに干し柿を見ていました。そして時が経ち…ついに、干し柿に手を伸ばし食べてみました。(何故食べてみたか、きっかけは覚えていませんが…)甘みの強さに驚いたのと、少し硬めの外側の食感に「美味しい」と思いました。

干し柿は、ちょうど今位の気温が下がる時期から作られるようです。気温が15度以下で、晴れて湿度が低い日が続くと甘味がギュッと凝縮した美味しい干し柿になるんですって。

私は、お正月にしか祖母宅へ行ったことがなかったのですが、祖母宅では毎年この位の時期から干し柿を作っていたのかなぁと思いました。

干し柿は「渋柿」で作られていることは知っていますが、同じ柿なら私たちが普段食べている甘い柿でも作れるのでは?と思ってしまいます。でもこれにはちゃんと理由があるんです。

理由は2つ。ひとつは糖度の違いで、実は糖度自体は甘い柿よりも渋柿のほうが多く、渋柿をそのまま食べてもタンニンという苦みや渋みの成分が邪魔をして、全く甘さを感じられませんが、干すことで持ち前の糖度が活きるそうです。

その甘さは、甘い柿の3~4倍!なんと砂糖の1.5倍!!にもなるそうです。

もうひとつは作りづらさの問題で、熟成しきった柿を干した場合、みずみずしさが災いしてカビやすく、干し柿になる前に傷んでしまうそうです。干し柿は昔の人が保存食として作っていましたが、昔の人の知恵はすごいですねぇ。

柿は日本の物と思っている人も多いと思いますが、生産量世界1位は中国で、2位韓国、3位スペイン、4位日本となっています。

もちろん、中国や韓国でも干し柿は作られており、中国のものは乾燥度が高く水に戻して料理に使うこともあるそうです。

昔も今も変わらない

今はスーパーでも買える干し柿ですが、家庭でも作れる干し柿。

①渋柿の皮をむき、むいた柿同士をくっつかない程度に離して、ビニール紐で結んで連結させます。

②結んだ柿を熱湯に10秒程潜らせて殺菌(カビが生えにくくなります)したら、柿の水分をきれいに拭き取ります。

③風通しと日当たりの良いところで2~3週間ほど干せば完成です。(気温が高いとカビが発生しやすいので、気温が低く空気も乾燥しやすい今頃がおススメ)

1週間程して皮が固くなったら指で押すようにして軽く揉み、その後5日程経ってから中心まで揉み切ると渋が早く抜けて、早く甘くなるそうです。

ちなみに私が、カビみたい…と思っていた白い粉はブドウ糖の結晶で、甘さのしるしでした!

家庭でも意外と簡単に作れる干し柿。都会ではベランダなどで干し柿を作る人もいるようで、昔も今も変わらず干し柿は作られているんだなぁと思いました。

そう言えば保育士時代に勤めていた保育園では、食後のデザートに干し柿が出たことがありました。子ども達の反応は様々(笑)抵抗なくパクパク食べる子もいれば、ちょびっとかじってビミョ~な顔や見ただけで嫌がる子、などなど…。

きっと家庭では、なかなか食べる経験がないだろうなぁ…と見ていたことを思い出しました。今は、干し柿を見たことがない子も多いかもしれませんね。

食べられなくても困らない干し柿ですが、食の知識、今の季節ならではの食べ物として子どもに伝えたり、一緒に作ったりする機会があっても楽しいのかなぁと思いました。

今月みえハウスでは、干し柿ではありませんが(笑)柿を使った「食べる柿ジャム」を作り、「柿きら~い」と言っていた子もパクリ!と食べていました。

柿にも甘い柿、渋い柿など種類があることや、様々な調理方法があることなど一つの食材を通して「食」に興味を持ってもらえると嬉しいです。