保育士時代のことです。
親子遠足の前日、3歳児の女の子が「明日、お母さんと一緒にお弁当を作る!!」とウキウキした笑顔で話してくれました。
普段から料理に興味がある女の子で、お母さんと一緒に台所に立つことが大好きなようです。
その姿を想像して、私はとても微笑ましくなりました。でも、きっとお母さんは大人がした方が早いのに…と思うこともあるでしょう…。
それでもお母さんは、待ってあげているのだな…とその女の子の笑顔から伝わってきました。
また、子どもが “やってみたい!!” と興味を示したことが実践できる環境を作っているお母さんはすごい!と感じました。
子どもは可能性の塊で、興味の矛先もあちらこちらに向きますが、子どもが興味を示したことを大人が丁寧に受け止めていくと、さらに子どもの可能性は広がるように思います。
興味が湧き立つ時にこそ!!
私自身も幼少の頃、料理にとても興味がありました。台所のお手伝いをやりたくて仕方ありませんでした。
しかし、私の母は待ってくれるタイプではありませんでした。
私のややこしい動きに、大人がした方が早い!!という風になり、そこでお手伝いはいつも終了するのでした。
今でも、幼少の頃を振り返ると、料理や台所のお手伝いをやりたかった…と思います。
料理や台所仕事は大人になればできることですが、必要に迫られてするのではなく、あの興味が湧きたった幼少の頃にしたかったのです。
保育士時代、子どもたちとクッキングをしたり、日々の食事当番を一緒にしたりする活動がありました。
子どもたちがエプロン、三角巾をつける姿は本当に嬉しそうでした。“今日はお当番だから、張り切って登園した!”という子どももいました。
料理やお手伝いをやってみたい!!と思う、興味の湧きたつ成長のタイミングと活動がピッタリと合っていたと感じます。
興味が活動に繋がれば…。
子どもの興味が活動に繋がれば、満たされた気持ちは成就感と共に “自分の好きなこと” として蓄えられていくことでしょう…。
様々な活動に触れる機会があれば、自分に合うもの、合わないものが見えてきます。
その中で “自分の好きなこと” が増えていくと、子どもの人生が豊かになっていくと思うのです。
また、“自分の好きなこと” が “人より少し得意なこと” になっていけば、それは自信に繋がります。
音楽が好きでピアノが得意、スポーツが好きで水泳が得意…など得意になることは、人それぞれです。
私の食育教室には、やはり料理に興味がある子どもが集まってきます。
その子どもたちの、興味や意欲を丁寧に受け止めて、楽しめる活動を考え提供しています。
“料理は自分の好きなこと” そして “料理は人より少し得意なこと” という思いが子どもの心に蓄えられていき、
子どもの自信に繋がってほしいと常に願い活動をしています。