兵庫県の郷土料理といえば、いかなごのくぎ煮です。いかなごが解禁されるのは2月下旬以降…。

神戸市灘区のスーパーでも、新鮮ないかなごを購入するために長蛇の列ができ、昨年は断念した私でした…。また、100均の店頭では、くぎ煮専用のタッパーが販売され始めました。

自家製のくぎ煮を知り合いに、おすそ分けする文化がありますものね…。私の友人も毎年、おすそ分けしてくれます(笑)

昭和初期には、釘煮という呼称があったと確認されているそうです。発祥の地は神戸市垂水区と長田区の2ヶ所あり、どちらの区にも “いかなごのくぎ煮発祥の地” を示す石碑が建てられているそうです。

ちなみに、“くぎ煮”と呼ばれる由来は、佃煮にしたいかなごの身が、錆びて折れ曲がった釘に似ているためだと言われています。

園庭で繰り広げられる食育

私の勤めていた保育園で、いかなごのくぎ煮を園庭で作ったことがありました。

ベテランの職員が慣れた手つきで、いかなごのくぎ煮を子どもの前で作っていきます。「うわぁ~」と言って、子どもは自然に集まってきます。

園庭で自由あそびの時、くぎ煮コーナーを園庭に設ける形で作るので見学は自由です。でも興味のある子どもは、いつまでもジーっとみています。

煮汁が少なくなってきたら、職員が大きな鍋を両手で持ち鍋を返します。“おおおっ~~”というような子どもの表情は忘れられません。

私もくぎ煮コーナーで興味のある子どもたちと一緒に、いつまでも鍋を見つめていたことは、いい思い出です。

そして、もうひとつのお楽しみは、作ったくぎ煮を食べることです。くぎ煮の美味しさを “独特の甘さと噛み応えがあり、一度口にするとご飯が止まらない中毒性をもつ” という表現もあり、今でいう “悪魔的な美味しさ” でしょうか…。

その美味しさは、子どもにもしっかり伝わり「くぎ煮、もっとちょうだい~~」と、その日のご飯の進み具合は、どの子どもも素晴らしいものでした。

先ずは本物の味を!!

幼い頃から郷土料理に触れる経験は貴重だと思います。園庭で “いかなごのくぎ煮作り” を企画した園長先生はすごいなぁと思いますし、これぞ食育だと思います。

今年は長蛇の列でも頑張って並び、新鮮ないかなごを購入したいと思っています。

これは余談ですが、カルビーが “いかなごのくぎ煮” の味を再現したポテトチップスを2月17日から近畿2府4県で発売するそうです。

カルビーは2017年度から全国の郷土料理や特産品の味をモチーフにしたポテトチップスを発売してきたそうです。今回のくぎ煮味は、約30回の試作を重ねた力作の一つになったといわれてます。

兵庫県民としては、なかなか興味のある記事で私も味見をしてみたい!と思いました。でも、子どもたちには先ずは本物の “いかなごのくぎ煮” の味を味わってほしいなぁ…と食育に携わる者として思いました。それからポテトチップスという順で…(笑)

今年は私も美味しい “いかなごのくぎ煮” を作って、教室に来る子どもたちのご飯のお供にしよう!と思います。

そして、春の訪れを感じたいと思います。