私が0歳児クラスを担任していた保育士時代、クラスでミニトマトの苗を育てていました。

よちよち歩きでプランターの周りに集まり、保育士と一緒に水をあげたり、苗を見つめたり、ミニトマトの実がなるのを楽しみにしていました。

0歳児クラスであっても、ミニトマトの栽培に触れ、収穫して食べる経験は、まさに食育!!

喜んで食べる子どもたちの姿を想像して、私はニンマリしておりました。

この経験をすることで、トマトが苦手な子どもが食べられるようになれば、なんて素敵なことだろう!とワクワクしました。

いよいよ収穫の時、子どもたちは小さな手でミニトマトを握り嬉しそうでした。

いい感じ!と、私もとても嬉しかったです。そして、そのミニトマトを食べる時がやってきました!

次々に美味しそうに頬張る子どもの姿!私の想像通りです。わぁ素敵!

でも…反応のない子どもが…。私はトマトをそぉ-っと、その子の口元へもっていくと、顔を背けひっくり返って嫌がりました。

はい、ごめんなさい…。やっぱりトマト嫌いでしたね…と私の心は少し折れましたが、子どもの主張を受け止めました。

そして子どもが主体なのに、私の楽しみの方が大きく、それを押し付けたのでは…と反省したのを覚えています。

食べる時の気持ち…。

このミニトマトの出来事から数年が経ちました。

トマトを拒んだ子どもは5歳になり、現在はみえハウスに通ってきています。

笑顔が素敵なお姉さんに成長して、明るく元気いっぱいです。みえハウスのメニューにミニトマトが登場する時は、ちょっぴり控えめな表情になっていますが…(笑) もちろん、食べなくてもオッケーです。

0歳の時の思い出がありますので、私も無理強いすることなく見守っていました。

嫌いな野菜でも、保育園では頑張って食べている…という子どものケースはよくあります。

でも、私は食べることにおいて楽しさより、苦痛が勝ることがあれば、とても残念に思います。

昔、食事中、クラスの子どもが言いました。

「嫌いなものがあったら、先に食べるねん!そしたら後は好きなものばっかりになるから!」と…。

楽しさが勝るように自分で工夫する姿に感心しました。

時にこの工夫は、大人がすることが必要ではないか…と思うのです。

びっくりしました!!

先日、みえハウスでクリスマス会を開催しました。

クリスマス会は内容が盛りだくさんなので、材料を炊飯器やお鍋に入れるだけの簡単クッキングを提供しました。

メニューも、ピラフ、手羽元のママレード煮、コ-ンス-プ…と、あえて子どもが食べやすいものに工夫し、ブロッコリーとミニトマトを添えました。

ブロッコリーは苦手な子どもはおらず、全員食べられます。そして、ミニトマトは苦手な子ども有り…(私が0歳児で担任した女の子も参加です!)なので欲しい人は盛り付けることにしました。

せっかくのクリスマス会、楽しさが勝るように、これもひとつの工夫です。各自で盛り付け、賑やかな楽しいランチタイムが始まりました!

そして、全員スムーズに完食しました。すると、0歳児で担任した女の子がミニトマトを食べていたのです!

正直、盛り付けてない…と思っていたので気づいた時は、もう、びっくりしました!!

クリスマス会という、いつも以上に楽しい雰囲気の中で、女の子のもつ食べる力が発揮できたのでしょう!

楽しさが勝ると、子どもは食べる力を発揮する!と改めて感じたひと時です。

これからも、子どもが食べる力を発揮する楽しいイベントを企画していこう!!と私の糧になりました。

            ♥私が0歳児で担任した女の子です。ミニトマトかじっているでしょう!