先日、台所の整理をしていましたら、粗品で頂いた「しゃもじ」が出てきました。しゃもじの箱には、こう書かれていました。
「しゃもじは、『神仏に奉納する道具』として古くから使われており、幸運を招く縁起の良い物とされています。」と…。
「へぇーー。」と思いました。そして「どうして、幸運が招かれるんやろ…。」とも思いました。
そこで、しゃもじについて調べてみることにしました!
なぜ、しゃもじが幸運を招くのでしょうか?
そもそも私は、しゃもじが「縁起の良いもの」とか「ご利益のあるもの」と言われていることを知りませんでした。
昔、宮島のしゃもじをお土産に頂いたことはありますが、宮島はしゃもじで有名だから!ぐらいの知識でした。
宮島のしゃもじの歴史は、寛政(1800年)の頃からです。宮島に住んでいた誓真(セイシン)という僧侶がある日、弁財天様の夢を見ました。
その夢で弁財天様の持つ琵琶を見て、誓真が思いついたのが、現在の形状のしゃもじだと言われています。そして、このしゃもじを宮島(厳島)の神木で作り宮島参拝のお土産として売り出すことを島民に薦めたことが始まりだそうです。
御神木のしゃもじで、ごはんをいただくと、ご神徳にあやかって「福運を招く」という誓真の教えと共に、宮島からしゃもじは広がっていきました。
また、厳島神社に祭られている弁財天様は、学問、豊穣、繁栄、勝負事の女神として崇められていました。しゃもじは「すくい取る」「飯取る」から「敵を召し取る」となり、弁財天様のご利益と共に「幸運、福運、勝運」を招く縁起物になったそうです。
「幸せをめしとる」として縁起のよい宮島土産として人気で、しゃもじそのものを「宮島」と呼ぶこともあったそうです。
ちなみに宮島では、しゃもじとは言わず「宮島杓子」と呼んでいます。
なぜ、しゃもじが奉納されるのでしょうか?
明治になると、日本は戦争に傾倒していきます。多くの若者が戦地に行くことになりました。
若者は、その戦地に兵士として行く前に、厳島神社に来てしゃもじを奉納したと言われています。しゃもじを奉納して、「敵を召し取る」という縁起を担いだのでしょうね…。しゃもじは、千畳閣の柱に打ち付けられたそうです。
絵馬に願いごとを書いて奉納するのと同じですね…。これは、日清日露戦争のころ大ブームになったそうです。
家族との最後の思い出になるかもしれない…と思いながら日本三景の宮島に行き、しゃもじを奉納して死ぬかもしれない戦争に出征して行ったと言われています。
昭和初期には、柱に打ち付けるのは止めてしゃもじは壁や柱に立てかけるようになったそうです。
しゃもじって、奥が深いのですね…。まだまだ、しゃもじの起源、語源と「しゃもじ」の言葉の意味など、調べるともっと奥深いのでしょう…。
今回は、しゃもじの箱に書いてあった言葉の意味を調べました。とても感慨深かったです。
そして、「しゃもじは、幸せをめしとる縁起の良いもの」と子どもたちにも伝えていきたいです!!