私の勤めていた保育園の食事は、和食中心、薄味、低農薬の野菜が豊富に使われていました。
子どもの食生活において、とても配慮された食事です。
しかし毎月、保育園の献立表を見ては「うちの子、食べられるかしら?」と心配されるお母さんも沢山いらっしゃいました。
特に乳児クラスを担任していると、野菜を食べてもらうのに一苦労…という場面もありました。
そんな時は、前向きな言葉をかけて段階を踏みながら、一口だけでも食べられたら…と関わりました。
また、家ではスティック野菜をおやつ代わりにしてみては!?とお母さんに提案し、“きゅうりは成功!!”と一緒に喜んだこと
もありました。
そして数年後には、食生活において…あんなこともあった、こんなこともあった…といい思い出になっていくのです。
今はどう?
私が乳児クラスで担任した子どもが年長児クラスになった時、こんなことを聞いてみました。
「赤ちゃんクラスの時、野菜を食べなかったこと覚えてる?特にみどりの野菜…今はどう?」と…。
すると、デヘヘヘッと笑ったあと「今は野菜、食べられるよ!ほうれん草も人参も!ピーマンが一番すき!」と
誇らしげに言うのです。立派に成長して、たいしたもんです!
また、ある子には「きのこ嫌いだったけど、食べられるようになった?」と聞くと「今でも、きのこは好きではないけど
食べようと思ったら食べられるよ!」としっかりした返事が返ってきました。
一人ひとりと食を通しての思い出があるから、このような成長がまぶしく、嬉しくて仕方ありませんでした。
長い目で見ていく…。
そして先日、私に「食べられるようになった?」と聞かれた子どもの一人が、みえハウスに来てくれたのです!
年長児から、さらに成長して今は立派な小学生になりました。
すらりと背も伸び、一緒に来た年下の友達にも優しく、私にとって嬉しい嬉しい再会でした。
色々と会話をしながら、クッキングを楽しみ、そして、私は何気なく聞きくのです「今、苦手な食べ物ある?」と…。
すると、「きのこ」とニッコリ…。
私は瞬時に “そうだった…!” と過去の思い出がよみがえりました。
その笑顔から、今でも食べようと思ったら頑張って食べているんだろうなぁ…と感じました。
子どものありのままの姿を長い目で見た時、一人ひとりは日々成長していること、子どもには育つ力がある!!
と信じることが、何より大切ではないでしょうか…。
そして、成長していくペースの個人差が、一人ひとりの個性だと私は思っています。
これからも食育活動を通して、決して焦らず…誰かと比べず…子どもの成長を応援していきます!!