これは、絵本の題名です。

1歳児を担任していた保育士の時、子どもたちが「読んで!」と持って来る人気の絵本でした。

私は、この絵本を子どもに読むたびに、抽象的な絵と単純な言葉で展開される絵本の内容がよく分からない…といつも思っていました。

また、この絵本の表紙は、「何だ、これは?」という感じです。

そして、1ページ目の場面…「えっ!?何もない?」と思って、ふっと右上の隅を見ると「しーん」という文字が…。

私はいつも「しーん」という言葉から、この絵本を読み始めるのですが、子どもはすでに引き込まれているのです、この絵本に…。

正直、大人の私にはピンとこない不思議な感覚がありました。

理屈ではない世界

この絵本を松居直さんという方が、解説されています。

“大人は絵本を手にすると、すぐ内容の意味を考え、理屈で理解しようとします。

自分のもっている常識の尺度にあてはめて、わかる、わからない、意味がある、無意味だと決めつけてしまいます…”と…。

あっ私は、まさにこれだったんだ!と気が付きました。

大人と違って子どもは、“おや、なんだこれ、ふしぎだな、おもしろそう、”などと感覚を働かせ、好奇心で受け止め、

その絵本の中に入っていこうとするそうです。

私の膝に座って、絵本を見る子どもの心は、このように動いていたんだなと改めて感じました。

「もこ もこもこ」は、絵とことばの純粋なおもしろさを体験させてくれる、類のない絵本の傑作だそうです。

誰かに読んでもらうと…。

子どもの独創的な感性を伸ばすことや内なる世界を目指すには、幼児期にこうした絵本との出会いが大切なのだと感じます。

私が絵本を「しーん」と読み始めると、その音声がこの画面の空間に波紋をおこし、子どもの好奇心が、かきたてられるのでしょう…。

絵本は誰かに読んでもらうと、静止している画面に動きや生命が与えられ、物語空間を創造でき、何倍もおもしろく、

生きた語りとことばの世界が体験できると言われます。

この耳により聴くことばの体験が、読書力を育てる土台となるそうです。

幼児期に絵本の読み聞かせを体験することが、子どもの育ちに大きな力を与えてくれるのですね。

食育教室に通って来る子どもの中に「今日、絵本読む?」と聞く子が何人かいます。

その時々でクッキングにつなげる活動内容が異なるので、絵本の読み聞かせの日もあれば、製作、ゲームの日もあります。

でも、この言葉を聞くと子どもは絵本を読んでもらうことが好きなんだなぁ…と改めて感じます。

そして絵本の読み聞かせをする時は、私自身、絵本を理屈で理解しようとせず、子どものとらえる感覚や好奇心を大切に、

絵本の中に入っていくことを忘れてはなりません!!

もちろん、子どもと一緒に楽しみながら…。