私が保育士時代、0歳児クラスを担任していた時のことです。
担任である私は、一年間のクラステーマを “食べる力は生きる力” として掲げました。
それは、食べることが全てのエネルギーにつながる0歳児クラスを目指していこう!と思ったからです。
0歳児クラスの子どもたちは、生まれてまだ一年前後です。未来が始まったばかりです。
「たくさん食べて大きくなってね!」と毎日、願いながら食事の時間をむかえていました。
保育士と一緒に小さな手を合わせて「いただきます」をする姿は、なんとも可愛いらしく、ほほえましかったです。
そして、「いただきます」と動物や植物の命をいただくことが、人間の生きる力(エネルギー)につながっていることは
忘れてはならない大切なことです。
大人の姿勢
0歳児は一番小さなクラスですが、命の尊さや感謝の気持ちを伝えていく保育を大切に過ごしました。
たとえば、「今日はブタさんのお肉食べるよ。ブタさんありがとう…。」とか「お茶碗のご飯はきれいに食べようね…」と
お米ひと粒、ひと粒を大切に扱う…そして、お米や野菜を作ってくれた人への感謝の気持ちを、保育士が言葉にする…
このような子どもへの関わりを心掛けていました。
小さい時から子どもに感謝を理解させるため…ではなく、大人の感謝する姿勢を見せていく…
この姿勢は、年齢は小さくても“大切なことなんだなぁ…”と、子どもの魂に伝わっていくように思うのです。
また大人自身が、普段から当たり前のことに感謝できているか…はポイントですよね…。
体調を崩して食欲がなくなったりすると、元気で何でも食べられることは有り難い…と誰もが改めて思うわけです。
そして元気になったら、また当たり前になって…また、改めて思う…(笑)
こんな繰り返しは、誰もが経験することですが「いただきます」という時には、いつも感謝の気持ちをもって
言いたいものですね…。
無駄にしてはいけないこと。
ある本に、次のようなことが、書かれていました。
“命を食べるということは、食べるものの未来を奪うこと。人が生きるためには食べなければいけませんが、
「きらいだから食べない!!」と言って食べ物を残すと未来を無駄に奪ったことになってしまいます。”
この文章を読み改めて、すき、きらいなく何でも食べる子どもに育ってほしい!!
そして、子どもたちが、すき、きらいなく食べられるよう、工夫をして関わりたいと思いました。
いただいた命を無駄にすることなく、子どもたちの未来に、そして生きていく力につながっていくよう、
食べる力を感謝で培っていきたいものです。