私の住む神戸の王子公園には、王子動物園があります。ご存知ですか?神戸で王子動物園と言えば遠足で定番の場所です。
さらに言えば、私の元職場(保育園)は王子動物園のすぐ近くにあり恵まれた環境でした。遠足で行くより日常の散歩で行くことがほとんどで、園内は案内地図がなくても迷うことなく、こどもたちと散策できました。
こどもたちは、王子動物園が大好きです!この秋の遠足でもきっと王子動物園はにぎわうことでしょう。
楽しいはずの遠足が…。
ところで、遠足という言葉を聞くと思いだすのが私の友人の幼少期のエピソードです。
友人は保育園の遠足で昼食にみんなと一緒に食堂でカレーを食べました。
そのカレーが友人にとっては辛口で喉がヒリヒリし、すぐに自分の水を飲み干してしまいました。保育士に水のおかわりが欲しいと伝え水を飲み、それでも喉の渇きはとれず、もう一度水のおかわりが欲しいと保育士に伝えました。
すると保育士は「お水、お水って何回お水を飲むの!帰りのバスでおしっこに行きたくなっても知らないよ!」と怒ったそうです。友人は勇気を振り絞って水のおかわりを伝えたのに、保育士に受け入れてもらえなかったことが、非常に悲しく心に残りました。そして、この出来事以来、カレーが嫌いになったそうです。
この出来事は40年以上も前の出来事です。いまだに友人はカレーが嫌いです。こどもの頃は学校行事や夏祭りなどで何かとカレーを食べる機会が多かったと思うので、その度にこの出来事を思い出し、辛かっただろうなと思います。
なぜこどもの心を傷つける言葉を言ってしまうのか?
こどもの好き、嫌いのきっかけは大人の言葉が原因ということは少なくありません。
まさにこのエピソードは、大人の言葉でこどもの心が傷つき、心が受け付けなくなった食べ物の話だと思います。
私も元保育士であり、これからもこどもと関わっていく者として考えさせられるエピソードです。確かにこどもを引率する際、様々な配慮があり排泄面も大切な配慮のひとつです。
園外に出ると帰りのバスに乗るまでの時間を逆算して排泄を促します。集団で促すわけですから時間配分を誤れば、それはもう焦ります。
私はこのエピソードの保育士を決してかばうつもりではなく、なぜこどもの心を傷つける言葉を言ってしまったのか…その心理を考えるのです。
それは…余裕がなかったのです。そして、保育士自身こどもの心を傷つけた自覚もなかったでしょう。それほど余裕がない時は何も見えなくなるのです。
大人がこどもと向き合う時、自分自身に余裕があるか…誰もが自問自答する大切さを感じます。バタバタと流されずに一日、一日を大切に過ごしたいですね。