もうすぐ節分です。私が勤めていた保育園でも、毎年豆まきをしていました。
伝統行事として保育園だけでなく、各家庭でも豆まきを楽しんでいるようです。
「お父さんが鬼になって、豆投げた!!」とおうちでの豆まきを報告してくれる子どももいました。
その中で…あるお母さんからの報告…「昨日、本当に大変やったんですよ…」と…。
私が1歳児を担任していた時のことでした。
おうちで豆まきをした時、その1歳児の子どもは豆を自分の鼻の中に入れてしまったそうです。
鼻の奥まで入り取れなくなり、救急で病院へ行き、取ってもらったという報告でした。
翌日、元気に登園した子どもの姿を見ながら、「大事に至らず本当に良かった…」とお母さんと胸をなで下ろしました。
節分を迎えるたび、私はこの話を思い出します。節分の豆は、乳幼児にとって“こわいなぁ”と実感した出来事でした。
命を失う危険性も
こんな記事を見たことがあります。
1歳児の子どもが節分の豆をのどに詰まらせ救急搬送、全身麻酔をして気管支に詰まった豆の破片を取り出すという事故の記事です。
乳幼児は噛み砕く力や、せきをして吐き出す力は弱いので、豆が気管に入ると手術でしか取り出せないそうです。
詰まった豆によって、肺炎になったり窒息したりする危険性があり、窒息した場合は5分以内に取り出さないと
死亡する危険性が高くなるそうです。
消費者庁は「豆やナッツ類は3歳頃まで食べさせないで!」と4年ほど前から、節分の数日前に保護者向けに
「子ども安全メール」で注意を促しています。
また、小さい豆が入った商品に「お子さまがのどに詰まらせないよう必ずそばで見守ってあげて下さい」と記載しているメーカーもあります。
節分の豆まきは、乳幼児にとって事故につながることがある…と細心の注意を払う必要性を感じます。
行事として、どう触れる?
節分の豆まきは、子どもが豆を詰まらせる危険性を頭に置いて、大人がそばで見守りながら取り組む必要があります。
しかし、“節分”は子どもに伝統行事として由来などを伝える大切な機会です。難しい説明ではなく、やさしい言葉で子どもに分かりやすく伝えます。
また、節分や鬼をテーマにした絵本を読み聞かせたり、保育士が劇をして見せたり、子どもが興味、関心がふくらむひと時をもちました。
「悪い子のところには、鬼がくるよ!」と子どもを怖がらせるのではなく、“節分”は「みんなが健康に過ごせますように」という思いを込めて、「鬼は外、福は内」と言いながら豆をまき、悪いものを追い出す日!
「自分の心の中にいる泣き虫鬼や、おこりんぼう鬼を豆をまいて追い払おうね」と子どもが自分の心と向き合える
言葉をかけることが大切なポイントです。
節分を過ぎると暦の上では、もう春です。
大きな事故などなく、子どもの心が春に向かって、ひとつ大きくなる季節の節目になりますように…。