私はキリスト教の保育園に就職して、その年のクリスマス…七面鳥の丸焼きというものを初めて見ました。
調理は栄養士がして、昼ごはんに登場するのですから、それはもうびっくりです。
私の七面鳥の丸焼きのイメージは、マッチ売りの少女が窓の外から見た、クリスマスを祝う裕福な家庭の食卓に用意される食べ物でした。
それが、保育園の昼ごはんに登場するのですから…やはりびっくりです。
裕福な保育園だから登場したわけでなくて、食を通してクリスマスの雰囲気を味わうことがひとつのねらいでした。
また、クリスマスはイエスさまの誕生日をお祝いする日、だからご馳走を食べる…と子どもたちに分かりやすく伝えます。
新米保育士の私が初めて食べた七面鳥の味はあっさりしていて、美味しかったです。
心待ちにする気持ち…。
イベントを通して食の意味を伝えることは、大切に思います。
子どもの誕生日会には、必ず赤飯を炊く保育園でした。秋は栗入り赤飯です。
誕生日会は月に一度あるので、子どもたちは赤飯を含む献立を月に一度は食べていました。
「誕生日会は〇〇ちゃんの誕生日をお祝いするおめでたい日、おめでたい日には赤飯を炊いてお祝いするんだよ‼」と赤飯を炊く意味を伝えます。
誕生日会は、親子イベントのひとつでした。
誕生児のおうちの方は誕生日会に参加して、一緒に子どもとお昼ごはんを食べ、お祝いします。
親子イベントなので、おうちの方は仕事の調整が、大変だったと思います。
でも、子どもたちは年に一度、おうちの方と赤飯を食べてお祝いできる日を心待ちにしていました。
経験からの気付き…。
保育士時代は、季節のイベントに触れる機会がたくさんありました。
イベントに嬉しそうに参加する子どもの姿を見ると、大切な経験をしていると感じます。
私自身、幼少の頃から誕生日会やクリスマス会での楽しい記憶が乏しいのです。
私はイベントに参加すると、嬉しいのでテンションが上がって母に怒られることが多かったからです。
たとえば、小学一年生の時、私の誕生日会に友だちが来てくれました。私は嬉しすぎて大ハシャギ‼
落ち着きのない私の姿に母はイラッとしたようで、「いい加減にしなさい」と何回も怒られました。
私は感受性が強かったので、“自分が主役の日でもこんなに怒られるのか…”という気持ちになったのをよく覚えています。
こんな自分の経験から子どものイベントは大切にして、温かく見守っていきたいと強く思います。
特に誕生日会やクリスマス会などは子どものテンションが上がって当然です。
ケガにさえつながらなければ、ワイワイガヤガヤすることも、子ども同士のケンカが起こることも自然なことです。
イベントを通して、その意味を知ったり、楽しさを味わったり、時には私のように複雑な経験も含め、何かの気付きにつながれば…と思います。