子どものアレルギー治療において、“安全量を食べて治す治療”が完全除去より早く治ると言われています。

たとえば、牛乳にアレルギーがある子どもなら、医師の指示のもと、経口負荷試験を行って安全量を普段から摂取して、アレルギーを治していく方法です。

試験をすれば、牛乳を含むお菓子の食べられる範囲も分かり、お母さんも安心して子どもにおやつを与えられます。

食べない方がアレルギーから守られるように思いますが、離乳食でも一般の指示通りに進めることが望ましいのです。

“うちの子は、まだ体も小さいしアレルギーが心配…”と離乳食の開始を遅らす方がアレルギーになる可能性が高いとデーターが出ています。

様々なアレルギー対応

子どもが保育園に通うことになれば、保育園のアレルギー対応は気になるところです。

卵アレルギーであれば、卵そのものは食べられないが、卵を含むお菓子は食べられる…というケースがあります。

しかし、卵アレルギーがあるのなら卵完全除去の給食を提供する保育園は多いです。

これは、集団生活の中で難しいところです。

私の勤めていた保育園は食育に力をいれていましたので、上記のケースの場合は、卵そのものが入っているメニューは除去食にし、カップケーキなら卵が入っていても、みんなと同じものを食べるという配慮をしていました。

アレルギー対応には、栄養士も保育士も神経を使いましたが、“安全量を食べて治す治療” に保護者と一緒に向き合えたと思います。

また、小麦粉アレルギーの子どもは摂取しなくても、小麦粉粘土で遊ぶだけでアレルギー反応がでます。保育士は工夫や配慮をして遊びの提供をする必要がありました。

きっかけが理解のチャンスです…。

遊びや食べることにおいて、母子共に孤立しないように心を向けていくことが大切です。

周りに理解してもらうのは難しいから…と交流を避けようするお母さんもいます。

たとえば、保育園のクリスマス会では父母の会主催の軽食パ-ティーがあり、アレルギーがある子どもの家庭は参加に悩んでしまいます。

しかし、父母の会はクリスマス会をきっかけに参加を拒む理由を知り、クリスマス会にどの家庭も参加ができるようにアレルギー用のサンドイッチを用意していました。

輪の中に入れるように、周囲が受け止め協力することは、お母さん同士の関係も築けるだろうし、何より子ども自身の喜びに繋がると感じます。

お母さんは子どものアレルギーを周りに伝えづらいから、理解も難しいと思うから、もう交流を避けよう…という気持ちも出てくると思います。

しかし、情報を共有することで、周りがアレルギーというものに関心を示したり、理解しようとしたりする気持ちが芽生えると思うのです。

また、集団の中で子どものアレルギーに対して周囲が理解するように、保育士が努めることは大切な食育の一環です。

集団において子どものアレルギーを、お母さん一人で抱え込まないようにしてくださいね。